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【メカベーをもっと長く回すには・・・】ベーゴマやコマの回転持続時間の向上方法

メカベーをもっと長く回せたならば・・・メカベーの回転をもっとあげられたならば・・・、もっと多く勝てていたはず。・・・といった経験はありませんか? 回転持続時間を競うタイムトライアルではもちろんのこと、バトル対戦においても、メカベーをできるだけ長く回すことは“勝つ”ための必須要件です。 この章ではメカベーをもっと早く長く回しタイムトライアルやバトル対戦に勝つための重要な要素を、物理学や実戦で得た経験からできるだけわかりやすく科学していきます。

1.回転数を上げて回転エネルギーを大きくする

2.重くして回転エネルギーを大きくする

3.重い方が良い?軽い方が良い?

4.回転数を上げる回し方は・・・

5.シャフトを高速回転タイプに

6.回転をじゃまするもの(回転維持の阻害要素)

7.チューニングの極意


1.回転数を上げて回転エネルギーを大きくする

メカベーをもっと長く回すには・・・、その1番の答えは、できるだけ「回し始めの回転数を上げる!」ことです<回転数とは物体が1分間に何回転するかのことで、単位はrpm(revolutions/rotations/rounds per minute)>
メカベーはベーゴマと同じように下側の円錐(えんすい)部分に巻き付けた紐を手前に素早く引いて回します。メカベーをバトルリング上で回すとき、紐を引き切ってランディング(着地)した直後の回し始めの回転数(以後初期回転数という)が高いほど(速く回すほど)メカベーに発生する回転エネルギーが大きくなり回転持続時間が伸びます。つまり、初期回転数が高いほど回転エネルギーが大きくなって長く回ります。回転エネルギーが大きいほど回転を持続する原動力が大きく、バトル時の打撃力も大きくなります。


2.重くして回転エネルギーを大きくする

メカベーをもっと長く回すには・・・、その2番目の答えは「自分の最高回転数を維持できる範囲で重くする!」ことです。 メカベーの回転数が同じならば重量が重いほどメカベーに発生する回転エネルギーが大きくなり回転持続時間が伸びます。つまり、重量が重いほど回転エネルギーが大きくなって長く回ります。回転エネルギーが大きいほど回転を持続する原動力が大きく、バトル時の打撃力も大きくなります。

紐を手前に引いてメカベーを回すときに発生するメカベーの回転エネルギーは、メカベーの重量と回転数の2乗を掛け合わせた値に比例します(重さに比例し、回転数の2乗に比例する)。この回転エネルギーは力学法則から計算式で算出することが出来ます。
直線方向に進む物体の運動エネルギーWはW=1/2・mv2 (m:物体の質量kg、v:速度m/s) の式で計算することが出来、回転するメカベーの回転エネルギーも同様にW=1/2・mv2 =1/2・Iω2 (I:慣性モーメントkg・m2、ω:角速度rad/s)の式で近似計算することが出来ます。
回転エネルギーは重量に比例し回転数の2乗に比例しますので、自分の最高回転を維持できる範囲でメカベーを重くし、出来るだけ早く回すこと、で回転持続時間を伸ばすことが出来ます。


【回転数と回転持続時間の関係】
メカベーの回転エネルギーは、重さに例し、回転数の2乗に比例しますので、たとえば、重さが2倍になったとすると、回転エネルギーは重さの変化量に比例して2倍になります。回転数はどうでしょうか。回転数が2倍になると回転エネルギーは回転数の変化量の2乗に比例しますので4倍になります。
具体的な例をあげて考察してみますと、例えば、メカベーの重さが同じならば初期回転数5000rpmで回した場合と、それより回転数が1.4倍高い7000rpmで回した場合とでは、メカベーに発生する(与える)回転エネルギーの違いは、(7000rpm/5000rpm)の2乗 =1.4の2乗=1.96倍 と約2倍もの大きな差になり、回転持続時間が大きく違ってきます。もし、回転数の差が2倍あったなら、発生する回転エネルギーの差は4倍にもなりさらに大きな違いとなります。
したがって、タイムトライアルでは初期回転数をいかに高く回すかが最も重要なポイントとなります。


下のグラフはMB-3P Collectionの初期回転数と回転持続時間の関係を示しています。
初期回転数が3000rpm と6000rpmとでは発生する回転エネルギーの大きさは2の2乗で4倍となり、回転持続時間も約2.5分から約7分へと大幅に伸びています。回転エネルギーの大きさが4倍になると回転持続時間も理論計算上は4倍に伸びそうですが、実際にはメカベーのシャフト先端部とバトルリング表面との回転時の摩擦抵抗等の回転持続阻害要素の影響により4倍までは伸びず、約3倍程度にとどまります。

2.重くして回転エネルギーを大きくする

3.重い方が良い?軽い方が良い?

重量50gのメカベーを初期回転数7000rpmで回し、重量80g(重量比1.6倍)のメカベーを初期回転数5000rpm(回転数の比約0.7倍)で回し、両者をバトルリング上でそれぞれタイムトライアルさせた場合、どちらが長く回るでしょうか?
答えは、
重量50gで7000rpmのメカベーの回転エネルギーは近似的にW50=1/2・0.05・70002=1225000
重量80gで5000rpmのメカベーの回転エネルギーは近似的にW80=1/2・0.08・50002=1000000
となり、重量50gで7000rpmで回すメカベーの方が回転エネルギーの数値が大きく、長く回ります。

最高回転数を出せる重さは、人によって全く異なりますが、平均的に見て、子供でおおよそ50gぐらいまで、成人男子でおおよそ70gぐらいまでです。一般に、それ以上重くなると発生させられる最高回転数は下がってしまいます。
ご自分の瞬発力で最高回転数で回せる重さの限界を見極めて適切な重さを選び、できるだけ回転数を上げられるようにするのが、回転持続時間を伸ばす極意です。



参考: MB-3P Collection のメカベーは専用のエアロボディーを組み込んで総重量は76g~80gに設定してあります。この重さは、標準的な日本人の成人男性が最高回転数を維持できる上限の重さの70gよりも10%ほど重くなっていますので、ベーゴマ経験者でも最初は2分程度しか回りません。あきらめずに日々鍛錬するにつれ、徐々に回転持続時間が伸び、最後には5分を突破できるようになります。

4.回転数を上げる回し方は・・・

メカベーを回す紐の長さは100センチ。このうちメカベーのボディーに巻き付ける紐の長さは最大9巻で約80センチ。この80センチのストローク(紐の引き代)をすべて使い切って如何にメカベーの回転数を上げるかがポイントです。
メカベーを把持して構えた点から回し終わる点までのプロセスを区間ごとに見てみましょう。
胸前左側の「始点」から右手を体と平行に右側(バトルリング側)へ動かして指を開いてメカベーを放すリリース点まで(下図の区間A)は、メカベーの回転数は0rpm。
 リリース点を過ぎるとメカベーは慣性の法則で右方向への移動を続けますが紐は伸びないため紐に引かれて回転し始めます。メカベーが着地点上空に達するまで(区間B:20~30センチ)のあいだに、右手をリリース点まで伸ばすスピードが速ければ、数百rpm以上にまで回転数が上昇します。
さらに右手がリリース点から紐を引きながら終点へ素早く戻る区間で回転が加速され、80センチを引き切った点で最高回転数に達します。
つまり、「自分の右肩の前あたりで紐を80センチ引き切るように、リリース点から20~30センチ前方へ着地するように右手をバトルリング側へ伸ばすスピードを調整し、リリース後はできるだけ速く紐を左胸元まで完全に引き切る」回し方が最高の回転数を実現する方法です。

メカニカルベーゴマ・メカベーの回し方

5.シャフトを高速回転タイプに

メカベーを高速回転させるには、指を開いてメカベーをリリースした後に紐をできるだけ速く最後まで引き切る必要があります。
しかしながら、紐を引く速さには限界がありますので紐を引いて回せる回転数の上限もおのずと決まってしまいます。
それでは、回転数の上限をさらに伸ばすには、どうしたらよいのでしょうか。ご一緒に考えてみましょう。一般に、コマやベーゴマのような逆円錐形の 回転体に紐を巻き付けてその紐を引いて回転させるとき、紐を引く速度が同じなら回転体の直径が小さいほど回転数が上がります。
メカベーの高速回転タイプのシャフトは紐を巻き付ける部分の直径が標準タイプに比べて約20%小さいので、最高回転数を約20%高めることが可能です。


写真左:標準タイプのシャフト、  写真右:高速回転タイプのシャフト
メカニカルベーゴマ・メカベーのシャフト比較

6.回転をじゃまするもの(回転維持の阻害要素)

メカベーの回転維持を阻害する要素(じゃまするもの)として、(1)旋回運動、(2)揺らぎ運動、(3)床面の平滑度(凹凸の大きさ)、(4)床面とシャフト先端部との摩擦抵抗、(5)空気抵抗、などがあります。

  1. 旋回運動
    メカベーがバトルリング上でグルグル動き回る旋回運動をしてしまうと、回転を維持する回転エネルギーが消耗され急速に回転が落ちてしまいます。 旋回運動が発生する原因は、シャフト(回転軸)の中心軸から部品の回転時重心がずれているか、シャフト先端部がつぶれているか、またはメカベー全体の回転軸中心からがシャフト先端部の接触点がずれているか、です。
  2. 揺らぎ運動
    メカベーの回転バランスが悪くなっているか、バトルリングに対して斜めにランディングすると、シャフト先端部が鋭利な場合は床面に食いつき(刺さり気味になり)定点で回転しようとするためメカベー本体の動きとずれが生じ、揺らぎ運動が発生します。
  3. 床面の平滑度(凹凸の大きさ)
    バトルリングの表面に大きな傷やへこみがあるとシャフト先端部がトラップされ、キズやへこみの側面との間に回転摩擦が発生し、振動や音が発生して回転が徐々に下がってしまいます。
  4. 床面とシャフト先端部との摩擦抵抗
    床面の材質固有の摩擦抵抗が大きいと、シャフト先端部と床との摩擦抵抗が大きくなり、回転が徐々に下がってしまいます。ゴム、シリコンゴム、ビニール、柔らかい木材などは固有摩擦抵抗が大きく、メカベーを回す床材としては適しません。
  5. 空気抵抗
    高速回転にともなって速度の速い外周面は、若干の空気抵抗を受けます。

7.チューニングの極意

(1) タイムトライアル編
回転持続時間を競うタイムトライアルでは、初期回転数(回転するスピード:単位はrpm)が出来るだけ高く揺らぎが発生しない安定状態で回転し続けることが必須であり、揺らぎが発生してしまった場合には速やかに収束させられる構造が求められます。
★シャフト先端部を球状にして鏡面研磨する・・・
シャフト先端部のバトルリング表面との摩擦抵抗はできるだけ小さい方が揺らぎを吸収しやすくなり長時間回転し続けるので、シャフト先端部を半径0.5ミリ(R0.5)程度の球状に形成し鏡面に研磨仕上げます。
最初は#2000の紙やすりを先端部に円を描くように軽く当てて先端部の形状を下図のように半径R0.5程度の球状に形成し、次により目の細かいラッピングペーパーで表面が鏡面になるまで研磨仕上げします。
このシャフト先端部の研磨によって、揺動(ゆらぎ)運動を吸収する構造を構成できます。
<図A参照>
★紐をきつく巻くことも重要・・・
メカベーのボディーの円錐部に紐を7~9巻巻き付けますが、この紐の巻き方が緩いと紐を引くスピードと力がメカベーに的確に伝わらず、高速回転させることができません。紐はきつく引きながらメカベーの円錐部に的確に巻き付けていくようにします。
ベーゴマ 精密金属コマ メカベー シャフト先端部の研磨方法
(2) バトル対戦編
★バトルに強いメカベーとは・・・
攻撃力、防御力、回転持続力の3つの“力”がバランスよく優れているメカベーが、バトルに最も強いメカベーです。
メカベーを如何に高速回転させて水平にランディング(着地)し対戦相手のメカベーにぶつけるか、あるいは如何にぶつかってくるのを迎え撃つ(防御する)のか、初めてぶつかるまで(ファーストコンタクトまで)はプレイヤーの力量によるところ大ですが、ファーストコンタクト以後にどれほど安定して回り続けるかはメカベー自体の性能(回転の安定性)によるところ大です。
つまり、対戦相手のメカベーにぶつかっていく攻撃の直後の回転の安定度、対戦相手の攻撃を受けた直後の回転の安定度、ぶつかった後に最後まで回転し続けるときの回転の安定度、これらは実はメカベーの構造に由来する性能(回転の安定性)で、これが勝敗を決する重要な要素なのです。
攻撃でも防御でも当たった瞬間にメカベーの回転数は瞬間的にドロップし、多くの場合は揺らぎ運動(ぐらつき)が発生します。ぶつかった瞬間の回転数の低下が大きく、さらに大きな揺らぎ運動が発生するとエネルギーをロスして回転数の低下速度が速まり、その結果、対戦相手のメカベーと再度ぶつかった時にはあえなく負けてしまいます。
ぶつかったときの回転数低下が少なく、揺らぎ運動が発生しにくい、揺らぎが発生した場合は短時間で収束させられるメカベーがバトルに最も強いメカベーということになるのです。
★ぶつかった後の回転の安定度が重要・・・
対戦相手のメカベーよりも自分のメカベーの回転数が高く十分な回転エネルギーを持っていれば攻撃を仕掛けて対戦相手のメカベーを打ち飛ばすことが出来ますが、反対に対戦相手のメカベーの方が回転数が高いと攻撃を仕掛けても仕掛けられても(防御しても)こちらのメカベーが飛ばされてしまいます。
飛ばされたときに揺らぎ運動(ぐらつき)が発生してしまうと、収束できなければそのまま回転数がどんどん落ちていき万事休すです。しかし、もし揺らぎが短時間で収束でき(吸収でき)安定した回転に戻れれば、2回目の攻撃を仕掛ける(2回目の防御態勢に入る)ことも可能となってきます。
<Hit 後の揺らぎの影響のグラフ参照>
飛ばされたときに揺らぎ運動(ぐらつき)が発生しないようにするにはどうしたらよいのでしょう?
その答えは、「水平状態で回転したままスライドする(すべる)ように飛ばされること」です。つまり「飛ばされても揺らぎを起こさず(ぐらつかず)に水平状態で回転し続けること」です。
★バトルに強いメカベーを作る・・・
シャフト先端部とバトルリング表面との摩擦抵抗が、もしゼロであれば、水平状態で回っているメカベーはぶつかった瞬間に横方向にスライドして(すべって)動き、揺らぎ(ぐらつき)はあまり発生しません。シャフト先端部の摩擦抵抗をできるだけ小さくするには、シャフト先端部を球状に形成し鏡面に研磨仕上げします(鏡面:鏡のように像が写るほどなめらかな状態)。
① 鏡面に仕上げる方法
まず#2000の紙やすりを先端部に円を描くように軽く当てて先端部の形状を下図のように半径約1ミリ(R1.0)の球状に形成し(タイムトライアル用のR0.5とは異なる)、次により目の細かいバフペーパーで表面が鏡面になるまで研磨仕上げします。
② ぶつかった後の安定度をさらに増したい場合は・・・
#1000~#1500の紙やすりを八方から先端部に向かって均等に擦り上げて先端部の形状をさらに大きな半径R1.0~R2.0の球状に形成し、次により目の細かい#2000のサンドペーパーおよび#3000のバフペーパーで表面が鏡面になるまで研磨仕上げします。
<図B参照>
ベーゴマ 精密金属コマ メカベー シャフト先端部の研磨方法